【2025年最新】フィリピンのビザ完全ガイド!全ケースを徹底解説

フィリピンのビザ

「フィリピン旅行を計画中だけど、ビザは必要なの?」
「セブ島へ語学留学に行くけど、手続きがよくわからない…」
「将来的に移住も考えているけど、どんなビザがあるんだろう?」

温暖な気候とホスピタリティ溢れる人々が魅力のフィリピン。

観光、語学留学、ビジネス、そして移住先として、ますます注目を集めています。しかし、渡航を考えたときに多くの人が最初に直面するのが「ビザ」の問題です。

インターネットには様々な情報が溢れていますが、内容が古かったり、断片的だったりして、かえって混乱してしまうことも少なくありません。

この記事一本で、フィリピン渡航に関するビザの不安はすべて解決します。

この記事では、在日フィリピン大使館やフィリピン入国管理局(Bureau of Immigration)の最新情報(2025年時点)に基づき、短期の観光旅行から、語学留学、長期滞在、そして永住権の取得まで、日本人が関わるフィリピンのビザの全ケースを、どこよりも分かりやすく、そして詳しく解説します。

先に結論をお伝えします。 

30日以内の観光や短期滞在が目的なら、日本のパスポート保持者はビザ不要です。ただし、渡航者全員がオンラインで登録しなければならない「eTravel」という必須手続きがあります。

目次

フィリピン入国の基本!まずは自分の滞在期間と目的を確認しよう

フィリピンのビザ制度は、一見複雑に見えますが、ポイントは非常にシンプルです。

それは「滞在期間」と「渡航目的」の2つ。あなたがフィリピンで何をしたいのか、どれくらい滞在するのかによって、必要な手続きが明確に決まります。

あなたがどのケースに当てはまるか、把握できましたか?それでは、各項目を詳しく見ていきましょう。

観光・商用・語学留学目的の方

観光旅行や出張、語学学校への留学などでフィリピンを訪れる方のほとんどが、このケースに該当します。

30日以内の短期滞在:ビザは不要

日本人にとって最も一般的なのが、この「ビザなし」での短期滞在です。

ただし、「ビザが不要」であるためには、以下の2つの条件をすべて満たしている必要があります。

空港のチェックインカウンターやフィリピン入国審査で必ず確認される重要事項ですので、出発前に忘れずにチェックしてください。

  1. パスポートの有効期間:フィリピン入国時に、滞在日数+6ヶ月以上の残存有効期間があるパスポートを所持していること。これは、万が一の病気やフライトキャンセルなどで滞在が延長された場合にも、パスポートが有効であることを保証するためです。残存期間がギリギリの場合は、更新を検討しましょう。
  2. 往復航空券または第三国への航空券の所持:フィリピンから出国する意思があることを証明するため、30日以内に出国する予約済みの航空券を持っている必要があります。日本出発時のチェックインカウンターで確認されます。Eチケットの控えなどを印刷、またはスマートフォンに保存しておきましょう。

短期の商談や会議への参加といった商用目的であっても、30日以内であればビザは不要です。しかし、フィリピン国内で報酬を得るような就労活動を行うことは禁じられています。

31日以上の滞在:観光ビザを延長【現地申請可】

「フィリピンに30日以上滞在したい」「語学留学で2ヶ月間セブ島に滞在する」といった場合は、ビザなしで入国した後、現地で観光ビザ(9A)の延長手続きを行うのが一般的です。

語学留学の方は、学校が代行してくれますので、自分で手続きする必要はありません。

どこで手続きするの?

手続きは、フィリピン国内の主要都市にある入国管理局(Bureau of Immigration, 通称:イミグレ)のオフィスで行います。

  • マニラ:イントラムロスにある本局(BI Main Office)
  • セブ:セブ島側はGMall of Cebu内、マクタン島はガイサノ・マクタン・アイランドモール内。
  • その他、ダバオやバギオなど、多くの都市にオフィスがあります。

延長できる期間と回数

  • 初回延長:ビザなし滞在30日が切れる前に手続きをすると、29日間の延長が許可されます。これにより、合計59日間の滞在が可能になります。
  • 2回目以降の延長:その後は、1ヶ月単位または2ヶ月単位で延長申請が可能です。
  • 最大滞在期間:この延長手続きを繰り返すことで、観光ビザでの滞在は最長36ヶ月(3年間)まで可能です。

インターネット上で見かける「6ヶ月一括延長」は、フィリピン人の配偶者がいるなど、特別な条件を満たす場合に限られることがほとんどです。一般の観光・留学目的の場合は、1ヶ月または2ヶ月ごとの延長が基本となります。

手続きの流れと必要書類、費用

イミグレのオフィスは混雑することが多いため、時間に余裕を持って午前中に行くことをおすすめします。

また、Tシャツ・短パン・サンダルなどのラフすぎる服装では、原則オフィスに入れません。(例外的に、GMall of Cebu内のオフィスは厳しくありません)

必要書類
  1. パスポート(原本):コピーではなく、必ず原本を持参してください。
  2. 申請用紙:オフィスの窓口で「Extension」と伝えればもらえます。
  3. 申請費用:延長期間によって異なります。クレジットカードは使えないことがほとんどなので、必ずフィリピン・ペソの現金で多めに用意していきましょう。
手続きの流れ
  1. オフィスで申請用紙を受け取り、必要事項を記入。
  2. 書類審査の窓口に、パスポートと申請用紙を提出。
  3. 支払い窓口で料金を支払う。
  4. 数分から数時間で手続きが完了。
費用

初回の延長、また2回目以降でも延長期間(1ヶ月または2ヶ月)によって異なりますが、2,500から4,000ペソ程度です。

重要:外国人登録証「ACR I-Card」とは?

フィリピンに合計59日を超えて滞在するすべての外国人は、ACR I-Card(Alien Certificate of Registration Identity Card)という外国人登録証の取得が義務付けられています。

これは、フィリピンにおける外国人の公式な身分証明書となるICチップ入りのカードです。通常、2回目のビザ延長(合計59日を超えるタイミング)の際に、ビザ延長費用と合わせて取得費用を支払い、申請手続きを行います。

【目的別】フィリピンの長期滞在ビザの種類と取得方法

観光や短期留学以上の、より専門的な目的でフィリピンに長期滞在・移住する場合は、目的に応じたビザを取得する必要があります。

まずは、目的別にどのようなビザや許可証があるのか、一覧表で全体像を確認しましょう。

【フィリピンの主要ビザ・許可証 一覧表】

目的別ビザ/許可証の種類主な対象者・目的滞在可能期間主な特徴・注意点
短期滞在向け無査証 (Visa-Free)30日以内の観光、短期商用、知人訪問最大30日間ビザ不要。ただし往復航空券とeTravel登録が必須。
観光ビザ (9A Visa)31日以上の観光、語学留学、長期滞在の下見最大36ヶ月(要延長)現地で延長手続きを繰り返す。59日超の滞在でACR I-Cardが必須。
就学・就労向け特別就学許可 (SSP)語学学校などでの就学学校の在籍期間ビザではなく「許可証」。観光ビザ(9A)とセットで取得。
学生ビザ (9F Visa)大学、大学院など高等教育機関への正規留学在学期間入学許可が前提。語学留学は対象外。
就労ビザ (9G Visa)フィリピン企業での長期就労1年〜(更新可能)最も一般的な就労ビザ。取得にAEP(外国人雇用許可)が必須。
特別就労許可 (SWP)6ヶ月以内の短期的な業務、コンサルティング最大6ヶ月ビザではなく「許可証」。緊急性の高い短期業務が対象。
移住・永住権結婚ビザ (13A Visa)フィリピン国籍者の配偶者永住最初は1年間の仮永住、その後本申請へ。
特別居住退職者ビザ (SRRV)退職後の長期滞在、移住永住年齢や預託金により複数種別あり。条件変更が多いので要注意。
クオータビザ (Quota Visa)永住希望者永住日本人枠は年間50名。取得難易度は非常に高いが自由度も高い。
特別投資家ビザ (SIRV)フィリピンへの投資家投資継続期間75,000米ドル以上の投資が条件。

ここでは代表的な長期滞在ビザをご紹介します。

留学・就学のためのビザ

フィリピンの大学等に正規留学される方は、学生ビザが必要です。

繰り返しになりますが、語学学校への留学は「学生ビザ」ではありません正しくは、上記で解説した「観光ビザ(9A)」で滞在し、それに加えて以下の「特別就学許可(SSP)」を取得します。

  • 特別就学許可(SSP – Special Study Permit) フィリピン国内で就学(勉強)するための「許可証」です。これはビザではなく、観光ビザに付随する形で取得します。期間の長短にかかわらず、語学学校で学ぶ場合は1週間の短期留学であってもSSPの取得が義務付けられています。通常、入学手続き後に語学学校が代理で申請してくれます。
  • 学生ビザ(9F Visa) フィリピンの大学、大学院、専門学校などの高等教育機関で学位取得を目指す場合に必要となる、正式な「学生ビザ」です。入学許可を得た後に、日本のフィリピン大使館または現地で申請します。

仕事・就労のためのビザ

  • 就労ビザ(9G Visa / Pre-Arranged Employee Visa) フィリピン国内の企業に雇用され、1年以上の長期間働くための最も一般的な就労ビザです。フィリピンでの雇用主が決まった後、労働雇用省(DOLE)から外国人雇用許可(AEP)を取得し、その後に入国管理局でビザを申請するという手順を踏みます。取得には数ヶ月かかることもあります。
  • 特別就労許可(SWP – Special Work Permit) 3ヶ月から6ヶ月程度の、ごく短期的な就労や業務(コンサルティング、機械の設置など)のために発行される「就労許可証」です。

移住・永住権(リタイアメントビザなど)

  • 特別居住退職者ビザ(SRRV – Special Resident Retiree’s Visa) 通称「リタイアメントビザ」。永住権のように何度も出入国が可能で、フィリピンで長期的に暮らしたい人々に最も人気のあるビザです。年齢や預託金の額によっていくつかの種類(Classic, Smileなど)に分かれています。SRRVの申請条件(対象年齢、預託金額など)は、フィリピン政府の方針によって頻繁に変更されます。インターネット上は古い情報が多いので、必ず申請前にフィリピン退職庁(PRA – Philippine Retirement Authority)の公式サイトで最新の正確な情報を確認してください。
  • 結婚ビザ(13A Visa) フィリピン国籍者と法的に婚姻関係にある日本人が申請できる永住ビザです。最初は1年間の仮永住ビザが発給され、問題がなければその後、正式な永住ビザに切り替わります。
  • クオータビザ(Quota Immigrant Visa) 年間発給数に国ごとの上限が定められている、非常に希少な永住ビザです。日本人枠は年間わずか50名と狭き門ですが、就労制限がなく、条件の自由度が高いことから「究極のビザ」とも呼ばれています。
  • 特別投資家ビザ(SIRV – Special Investor’s Resident Visa) フィリピン国内の事業に75,000米ドル以上の投資を行うことで取得できるビザです。投資を継続している限り、フィリピンに居住することができます。

【渡航者全員必須】フィリピン版VRS「eTravel」の登録方法を解説

ここが現在のフィリピン渡航における最重要ポイントです。

ビザの有無にかかわらず、フィリピンに入国するすべての人(フィリピン国籍者を除く)は、オンラインで「eTravel」に登録することが義務付けられています。

eTravelとは?

eTravelは、フィリピン政府が渡航者の情報を事前に把握するための電子申告システムです。

以前の「One Health Pass」に代わるもので、「入国カード、税関申告、健康申告が一つにまとまったもの」と考えると分かりやすいでしょう。

  • いつ登録するの?:フィリピンへの到着便の出発時刻72時間前から登録可能です。
  • 費用はかかる?完全無料です。クレジットカード情報の入力を求めたり、手数料を請求するサイトは100%詐欺サイトです。必ず公式サイトから登録してください。

登録手順

eTravelとは?
  1. 公式サイトへアクセス 以下の公式サイトにアクセスします。ブックマークしておくことをお勧めします。
    eTravel公式サイト: https://etravel.gov.ph/
  2. アカウント作成 初めて利用する場合は「Create an account」からアカウントを作成します。メールアドレスを入力し、送られてくるワンタイムパスワード(OTP)で認証後、パスワードを設定します。
  3. 個人情報・パスポート情報の入力 画面の指示に従い、氏名、生年月日、国籍、パスポート番号などを入力します。すべてパスポート記載通りに、英語(ローマ字)で正確に入力してください。
  4. 渡航情報の入力 フィリピンへの到着日、利用する航空会社と便名、空港名、滞在目的(Holiday/Pleasure/Vacationなど)、フィリピンでの滞在先(ホテル名や住所)を入力します。
  5. 健康状態・税関申告 過去30日間に訪問した国や、健康状態に関するいくつかの質問に答えます。また、持ち込みが規制されている品物に関する税関申告もここで行います。
  6. QRコード発行と保存 すべての入力が完了すると、緑色の背景にQRコードが表示されます。この画面を必ずスクリーンショットで保存してください。フィリピン到着後、空港でこのQRコードの提示を求められます。

eTravelのよくある質問

登録内容を間違えてしまいました。修正できます

一度登録した内容の直接修正はできません。公式サイトにログインし、「New Registration」から再度正しい情報で登録しなおし、新しいQRコードを発行してください。

家族分もまとめて登録できますか?

はい、可能です。一つのアカウントで「Add Family Member」を選択することで、同行する家族の情報を追加して登録できます。ただし、それぞれ個別のQRコードが発行されるので、全員分を忘れずに保存しましょう。

フィリピンビザに関する注意点とよくある質問(FAQ)

最後に、多くの人が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。

オーバーステイ(不法滞在)してしまったらどうなりますか? 

速やかに入国管理局に出頭し、延長手続きと罰金の支払いが必要です。罰金は1日単位で加算されます。悪質な場合や長期にわたる場合は、ブラックリストに載り、国外退去処分や将来のフィリピンへの再入国が禁止される可能性があります。滞在許可期限の管理はしっかり行いましょう。

6ヶ月以上滞在したあと出国する際に、特別な手続きは必要ですか?

はい、必要です。フィリピンに6ヶ月以上滞在した外国人が出国する際には、ECC(Emigration Clearance Certificate)という出国許可証を取得する必要があります。これは「フィリピン国内で犯罪歴などがなく、出国しても問題ない」という証明書です。出国予定日の1週間ほど前までに入国管理局で申請します。

ビザ申請や延長は代行業者に依頼すべきですか? 

メリットは、煩雑な手続きを任せられるため、時間と手間を大幅に節約できることです。特に就労ビザやリタイアメントビザの申請は複雑なため、専門家のサポートは心強いでしょう。デメリットは当然ながら代行費用がかかることです。観光ビザの延長などは、一度経験すれば個人でも十分可能です。

子供のビザはどうなりますか? 

親が就労ビザやリタイアメントビザなどを取得する場合、21歳未満の未婚の子供は扶養家族として同様のビザを取得できることがほとんどです。ただし、追加の書類や費用が必要になります。

最新情報はどこで確認するのが一番確実ですか?

ビザに関する規定は予告なく変更されることがあります。渡航前には、必ず以下の公的機関のウェブサイトで最新情報を確認する癖をつけましょう。

    まとめ:計画的な準備で、快適なフィリピン滞在を!

    最後に、この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

    • 【短期滞在】:30日以内の観光・短期商用ならビザ不要。ただし、渡航者全員がオンラインで「eTravel」に登録することが絶対条件。
    • 【延長】:30日を超える滞在(語学留学など)は、入国後に現地の入国管理局で観光ビザの延長手続きが必要。
    • 【長期滞在】:就労、大学進学、移住など、目的に合ったビザの事前調査と計画的な準備が不可欠。特にリタイアメントビザ(SRRV)はルールの変更が多いため、最新の公式情報の確認を怠らないこと。
    • 【共通の注意】パスポートの残存有効期間と、出国用の航空券は、どんな場合でも必ず事前に確認を。

    ビザの手続きは、少し複雑に感じるかもしれませんが、一つ一つ手順を踏めば決して難しいものではありません。

    さあ、これでビザの準備は万端です!あなたのフィリピン滞在が、安全で、楽しく、そして忘れられない思い出になることを願っています。

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    この記事を書いた人

    セブ島のアイランドホッピング「ベスト・オブ・セブ・アイランドホッピング」です。アイランドホッピング情報はもちろん、セブ島の観光・アクティビティ・レストラン情報を発信しています!

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