セブ島グルメといえば、豚の丸焼き「レチョン」が有名ですが、実はもう一つ、旅行者が「これを食べずに帰るのはもったいない!」と口を揃える名物料理があります。
それが「ポチェロ (Pochero)」です。
牛の骨付き肉を長時間とろとろになるまで煮込んだ、濃厚かつうま味深いスープ。その中心にある「骨髄(marrow)」をストローやナイフで取り出し、熱々のうちに吸い込みます。
これは、日本ではなかなか味わえない体験です。
また、セブ島では「お酒を飲んだ後のシメはラーメンではなくポチェロ」というのがローカルの常識。深夜のポチェロ店は、地元の若者や仕事終わりの人々で毎晩賑わっています。
この記事では、セブ島在住者が厳選した「絶対に外さないポチェロの名店」から、「マニラのブラロとの違い」、そして「ツウな食べ方」まで、どこよりも詳しく解説します。
そもそもセブ島名物「ポチェロ (Pochero)」とは?

セブ島旅行を計画していると、「ポチェロ」という言葉と「ブラロ」という言葉の両方を目にすることがあるかもしれません。
まずはこの違いを明確にしておきましょう。ここを知っておくと、現地でのオーダーがより楽しくなります。
ポチェロとは
セブ島(ビサヤ地方)で「ポチェロ」と言えば、「牛のスネ肉(シャンク)を骨ごと煮込んだクリアなスープ」のことを指します。
特徴的な具材として、以下のものが入っているのが一般的です。
- 牛スネ肉(骨髄付き): メインディッシュ。ホロホロになるまで煮込まれています。
- トウモロコシ (Corn): スープに甘みを与えます。
- 竹の子 (Bamboo Shoot): ほんのりとした酸味と食感のアクセント。
- キャベツまたは白菜 (Pechay): シャキシャキ感を残して提供されます。
マニラの「ブラロ (Bulalo)」との違い
わかりづらいのが、「マニラのブラロと何が違うの?」という点です。実は、料理の本質はほぼ同じですが、地域や具材に微妙な違いがあります。
| 特徴 | セブ島のポチェロ (Pochero) | マニラのブラロ (Bulalo) |
| 主な地域 | セブ島を含むビサヤ地方・ミンダナオ地方 | マニラを含むルソン地方(特にバタンガスが有名) |
| スープの特徴 | 牛骨ダシ+野菜の甘み。店によっては少し甘めの味付け。 | 牛骨ダシのストレートな旨味。塩気が効いていることが多い。 |
| 特徴的な具材 | 竹の子やトウモロコシが入ることが多い。 | シンプルに肉と葉物野菜だけのことが多い。トウモロコシは入らない店も多い。 |
| 注意点 | セブ島のフィリピン料理レストランでは「ブラロ」もあるところが多い。 | 「ポチェロ」と言っても通じるが、「ブラロ」と呼ぶのが一般的。 |
セブ島で牛骨スープを食べたいなら、迷わず「ポチェロ」と注文しましょう。
竹の子の酸味とコーンの甘みが溶け出したスープは、マニラのブラロよりも「ご飯が進む味」と言われています。
女性必見!コラーゲンと栄養価の宝庫
「脂っこそう…」と敬遠するのはもったいない!ポチェロは、実は最強の美容食でもあります。
骨から溶け出したたっぷりのコラーゲンは、日焼けした肌のケアに最適。
また、ビタミンB群が豊富な豚肉や牛肉、そして温かいスープは、冷房で冷えた体を芯から温め、旅の疲れ(スタミナ不足)を一気に解消してくれます。
2つのスタイル:クラシックとシズリング
セブ島のポチェロには、大きく分けて2つの楽しみ方があります。注文の際は気をつけましょう。
① クラシック(スープ)スタイル
最も一般的なスタイル。「ポチェロ」と言えば、普通はこちらを指します。大きな丼で並々と注がれたスープと共に提供されます。
二日酔いの朝や、クーラーで冷えた体に染み渡る優しさが特徴。多くのレストランで提供されているのはこのタイプです。ご飯にスープをかけて食べるのがローカル流です。
② 進化系!シズリング・ポチェロ (Sizzling Pochero)
セブ島独自に進化した、スープのないポチェロです。煮込んだ牛肉を熱々の鉄板(Sizzling plate)に乗せ、特製の濃厚なグレイビーソースをかけて提供されます。
ジュージューと音を立てる肉は、スープ版よりも味が濃く、ビールとの相性が抜群。「スープはいらない、肉とソースを楽しみたい!」というガッツリ派に熱狂的に支持されています。
【目的別】絶対に行くべき!セブ島おすすめポチェロレストラン10選
ここからは、セブ島在住者が自信を持っておすすめする名店を紹介します。
「初めて食べるならここ」「深夜ならここ」と目的別に使い分けるのがポイントです。
【元祖・王道】セブ島でポチェロといえばココ!
まずは、「セブ島でポチェロを食べた」と胸を張って言える、失敗のない名店3選です。
1. Abuhan (アブハン)

〜シズリング・ポチェロ発祥の伝説店〜
セブ島でポチェロを語る上で外せないのが「アブハン」です。特に「Abuhan Dos (アブハン・ドス)」は、観光客だけでなく地元の富裕層も通う老舗です。
ここの名物はスープではなく、鉄板焼きスタイルのポチェロ。巨大な牛の骨付き肉に、デミグラスソースのような濃厚なグレイビーソースがたっぷりかかっています。
肉はフォークだけで崩れるほど柔らかく、ソースだけでご飯が3杯食べられるほどの旨味の爆弾です。
- おすすめメニュー: Sizzling Pochero(シズリング・ポチェロ)
- 場所: F. Ramos Street, Cebu City(フエンテ・オスメニャサークル近く)
2. Marjo’s Pochero (マルジョス・ポチェロ)

〜スープ系ポチェロの最高峰!シンプル・イズ・ベスト〜
アブハンが「こってり」の王様なら、マルジョスは「あっさり」の女王です。
名店Kusina Unoと並び称された老舗で、現在は場所を変えて営業していますが、その味を求めて多くのファンが通います。

透明度の高い澄んだスープが最大の特徴。牛骨の旨味はしっかりあるのに、驚くほど臭みがなく上品な味わいです。
竹の子の酸味が絶妙に効いており、最後まで飽きずに飲み干せます。「セブで一番美味しいスープ」と評する人も多い、ランチタイムにおすすめの名店です。
- おすすめメニュー: Original Pochero
- 場所: Gorordo Avenue, Cebu City(アヤラモールから車で5分程度)
3. Muvanz Pocherohan (ムーバンズ)
〜アクセス抜群!安定の味と安さで大人気〜
セブシティの中心部に位置し、いつ行ってもローカルで満席の活気あるお店です。
ここは味が良いのはもちろん、値段が比較的リーズナブルなのが魅力。
ポチェロ以外にも、ホタテ(Scallops)やエビ料理などのシーフードメニューも豊富なので、グループでの食事に最適です。
スープの味はしっかりとコクがあり、ご飯との相性が抜群です。
- おすすめメニュー: Pochero / Sizzling Gambas
- 場所: Century Plaza Complex, Juana Osmeña St(マンゴーストリート近く)
【穴場・ローカル】安くて旨い!ディープな専門店
観光客向けの綺麗なレストランもいいけれど、現地の雰囲気を味わいたい!というチャレンジャーにはこちら。
4. Ekit’s Foodhaus (エキッツ)

〜知る人ぞ知る激安ポチェロの聖地〜
「安くて美味い」を地で行く、ローカル食堂(カレンデリア)スタイルの名店です。
入り口は分かりにくいですが、味は本物。他のレストランの半額近い値段でポチェロが楽しめます。

おしゃれさは皆無ですが、煮込まれた肉の柔らかさは高級店に引けを取りません。Sarrosa International Hotelの裏手にあり、タクシー運転手など「味にうるさい地元民」御用達です。
- 場所: Panagdait Road, Mabolo(マボロ地区)

5. Gate 5 Pochero (ゲートファイブ)

〜深夜の締めはここで決まり!〜
大通りから一本入った場所にあり、深夜まで営業していることから、夜遊び後の地元民が集まる隠れ家スポットです。オープンエアのローカルな雰囲気が魅力。

ここのポチェロは、1人前での提供で、肉のボリュームがすごく、スープも濃厚。
深夜の疲れた体に染み渡る塩加減がたまりません。ローカル度が高めなので、旅慣れた方におすすめです。
- 場所: Lahug, Cebu City

【雰囲気重視】デートやアテンドで使える綺麗なレストラン
「ローカルな店は衛生面が少し心配」「エアコンの効いた綺麗な店でゆっくり食べたい」という方には、以下のレストランが最適です。味はもちろん、内装やサービスも一流です。
6. House of Lechon (ハウス・オブ・レチョン)

〜ターコイズブルーのおしゃれ空間で食べる上品ポチェロ〜
店名の通りレチョン専門店ですが、実はスープ料理のレベルも非常に高いことで知られています。
カフェのようなおしゃれな内装で、女性客やカップルに大人気です。ここのポチェロは脂の処理が丁寧で、非常に上品な味わい。
エアコンがしっかり効いた涼しい店内で、熱々のスープを飲む贅沢が味わえます。アヤラモール近くの店舗がアクセス良好です。
- おすすめメニュー: Pochero Tagalog(トマトベース) / Classic Pochero

7. Lantaw Floating Native Restaurant (ランタオ)

〜海風を感じながら味わう絶景ポチェロ〜
セブ島の海の上に浮かぶ(フローティング)レストランとして有名なランタオ。特にマクタン島コルドバ店や、セブ・タリサイの店舗(Il Corso)は夕日の名所です。
ロケーションが最高のごちそうです。夕暮れ時に訪れ、海風に吹かれながら食べるポチェロは格別。
デートや記念日のディナーとして、フィリピン料理をコースのように楽しみたい時におすすめです。

8. Maribago Grill (マリバゴグリル)

〜森の中のレストラン!マクタン島リゾートエリアのド定番〜
マクタン島のホテルに宿泊しているなら、ここが一番行きやすい名店です。
巨大な樹木が生い茂るジャングルのようなオープンエアのレストラン。各テーブルが「コテージ」のようになっており、南国情緒満点です。
ここのポチェロは野菜がたっぷりで、リゾート価格にしては良心的なボリューム。夜はライトアップされて雰囲気が抜群です。
【家族連れ・大人数】シェアして楽しいファミリー向け
お子様連れや、3世代旅行でも安心して入れる、設備が整ったレストランです。
9. Kuya J (クヤ・ジェイ)

〜どのモールにもある安心感!国民的ファミレス〜
SMモールやアヤラモールなど、主要なショッピングモールには必ず入っている人気チェーン店です。清潔感があり、店員さんのサービスも教育されています。

ここのポチェロは「Bulalo(ブラロ)」表記の場合がありますが、味は本格的。
看板メニューの「クリスピーパタ(豚足の唐揚げ)」と一緒に注文し、家族みんなでシェアするのが定番スタイルです。
10. Golden Cowrie / Hukad (ゴールデンカウリー / フカッド)

〜「おかわり自由」のご飯が進む!フィリピンの家庭の味〜
セブ島発祥で、フィリピン全土に広がった超有名店。現地の家族がお祝い事で使うレストランの代表格です。
木の温もりを感じる店内で、何を食べてもハズレがありません。
ポチェロのスープはコクがあり、フィリピン料理特有の塩気がしっかり効いているため、名物の「UNLI RICE(ご飯食べ放題)」が止まらなくなります。
子供用の椅子や食器も完備されているので、小さなお子様連れでも安心です。
マクタン島・セブシティ別エリアマップ

- セブシティ中心部: Abuhan, House of Lechon, Muvanz, Marjo’s
- ITパーク周辺・マボロ: Ekit’s, Gate 5
- マクタン島エリア: Maribago Grill, Lantaw (Cordova)
これであなたもポチェロ通!注文方法と美味しく食べるコツ
ただ注文して食べるだけではなく、「通」な楽しみ方を知っておくと、ポチェロの美味しさは何倍にもなります。
注文時の注意点:「量はかなり多い!」
ポチェロは基本的に「Good for 2-3 persons(2〜3人前)」のサイズで提供されます。
一人旅の場合は食べきれないことが多いので、ハーフサイズがあるか聞くか、残ったら「Take out(テイクアウト)」を頼みましょう。フィリピンでは持ち帰りは一般的です。
裏技:「Sabaw Request(サバウ・リクエスト)」
魔法の言葉を教えましょう。スープが減ってきたら店員さんにこう伝えてください。
「More Sabaw, please.(モア・サバウ・プリーズ)」
「Sabaw」とはスープのこと。多くのポチェロ専門店では、スープのおかわりが無料です。熱々のスープを注ぎ足してくれます。
儀式:骨髄(Utak)の食べ方
ポチェロのハイライトは、骨の中にあるトロトロの骨髄です。
- 振る: 骨を持ち上げて、お皿の上でトントンと叩きつける(行儀が悪く見えますが、これが現地の食べ方です)。
- ナイフを使う: ナイフの背やスプーンの柄を使ってかき出す。
- ストロー?: 一部の店ではストローが出されますが、スープが激熱なので火傷に注意してください!少し冷ましてから吸いましょう。
味変:自分だけの「サウサワン」を作る
テーブルに置かれている調味料セット(醤油、酢、チリ、カラマンシー)を使って、つけダレ(サウサワン)を作ります。
- 基本レシピ: 醤油 + カラマンシー(酸味) + 潰した唐辛子
- 肉をこのタレにちょんちょんと付けて食べ、その後に白いご飯をかきこむ。これが最強のコンボです。
自宅や日本で作れる?ポチェロのレシピ概要
「日本に帰ってからもあの味が忘れられない…」という方のために。 ポチェロは日本でも再現可能です。
- 肉の代用: お肉屋さんで「牛スネ肉」や「牛テール(コムタン用)」を購入しましょう。
- 味の決め手: ナンプラー(魚醤)があれば、現地のパティス(Patis)の代わりになります。
- お土産におすすめ: フィリピンのスーパーで売っている「Mama Sita’s Pochero / Bulalo Mix」という粉末スープの素を買って帰れば、野菜と肉を煮込むだけで現地の味が100%再現できます。1袋50円程度なので、バラマキ土産にも最適です。
まとめ
セブ島のポチェロは、単なるスープ料理ではありません。
それは、現地の活気、南国の暑さ、そして人々の食への情熱が凝縮された「パワーフード」です。
- ランチなら: 上品なスープの「Marjo’s」や「House of Lechon」
- ディナー・飲み会なら: 鉄板焼きの「Abuhan」
- 深夜のシメなら: ローカル感満載の「Gate 5」
シーンに合わせてお店を選び、コラーゲンたっぷりのスープで旅のエネルギーをチャージしてください。
レチョンやBBQだけでなく、ぜひ「ポチェロ」でディープな美食体験を!












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